Your focus determines your reality.

思ったことや新たに知ったことのメモとして。元々は留学中に考えていたことを記したブログでした。

2018秋学期振り返り

2年生最初の学期も全て終了となり、これでMBAもあと1/3となった。

今学期履修した4つの授業は、理論と実践を良いバランスで取ることができたと思っている。New Product DevelopmentやTechnology Commercializationのような起業や新規事業での戦略や戦術のハンズオンプロジェクトでアウトプットの練習をする一方で、Large DataやMarketing Decisionのような戦略立案を支えるリサーチ面の具体的なメソッドについても引き出しを増やすことができた。

一方で、各グループプロジェクトについては議論しきれず不完全燃焼になってしまった面もあり、反省も残る。

以下、個別の授業についての振り返り。

Projects in Technology Commercialization

Technologyと言いつつ、担当した企業はすでに製品を販売中の飲料メーカーだったのだが、それでも消費財のスタートアップのコンサルを頭と手足を使って実践できたことは良い経験になった。

具体的にはこれまでも記載した通りだが、チャネル獲得や顧客認知度向上に向けたターゲット市場の選定、マーケットリサーチ、リサーチ結果に基づくチャネル選定とそのチャネルでのテストマーケティング手法についての提案までを、これまでに学んだマーケティングフレームワークやリサーチ手法を使って、かつ実際にそのビジネスを起こして経営している本人と議論しながら実行できたことで、理論として学んだものを実際の、自分が未経験の分野の企業に当てはめて使うアウトプットの経験を積むことができた。

ただ、プロジェクト自体はベンチャー企業としてのスピード感を出すことができなかったことや、マーケティングリサーチの結果とチャネル選定やソーシャルメディア戦略などの具体的な提案とを論理的に結び付けられなかったところで今一歩やりきった感が持てなかった。

ここはグループメンバーが顔なじみメンバーであることに流されて自分からメンバーを引っ張りに行けなかった自分の弱さも影響していると思う。残る2つの学期は意識を引き締め直し、馴れ合ったメンバーに対しても火を付けられるような、上手なリーダーシップの発揮の仕方を考え直したいところ。

 

Collecting & Analyzing Large Data

Large DataRのコードを使って分析する様々な手法について学べた授業。とにかく手法を学ぶ、と言う授業であり、授業中は分析手法とそのためのコードの書き方をひたすら写経しまくると言うものだったので、若干消化不良気味ではあるのだが、Rオープンソースのデータを使ってどのような分析ができるのかということは一通り理解できた。

どちらかと言うと戦略・マーケティングのフィールドで生きていきたい自分としては、コードを覚えることよりも、自分の知りたいことに対していかにデータを集め、分析し、表現して人を説得するかと言う方向に興味が向いているので、ビッグデータを使って何をどう分析できるかが知れれば満足ではある。あとは、Research for Marketing Decisionsで学んだリサーチプロセスなどに基づき、どのようなデータをどのように分析すべきかの判断をできるようになれば良い。

 

New Product Development

今学期のハイライト的授業。先学期のLab to MarketL2M)の続編的授業(教授も同じ)であり、特にユーザと製品との関わり方を観察することによってニーズと改善ポイントを明確にすることと、実際にプロトタイプを作り、批評を受けながらその改善を繰り返していくプロセスをレクチャーとプロジェクト半々で学ぶことができた。

先学期のL2Mで苦手意識を持っていたユーザインタビューについても、何度もユーザインタビューを行いそれをカスタマージャーニーマップなどのアウトプットに結びつける練習を繰り返す機会があったため、アウトプットに必要なポイントを掴みとるインタビューをできるようになってきた。

実務においては、実際にユーザにインタビューをする機会に加え、製品の改善ポイントを明確にするために、ユーザと現状の製品の関わり方についてどこに着目すべきかを洗い出し、プロトタイプの改善を素早く繰り返すプロセスの実行にも役に立つスキルだろう。

その他学んだポイントとしてはこれまでの記事にも書いてきた通りなので、今回はグループワークの反省点について記載しておく。

この授業のグループは、手が先に動くのだがそこに深い思考があまりなく、とにかくアウトプットを最短で作ることに徹すると言うグループであった(と言うか、そう言うメンバーが中にいた)。そのため、そもそも何故プロトタイプをそのようなものにするのかや、カスタマージャーニーマップやサービスブループリンとにおいて何に重点をおいて記載すべきかと言う点をメンバー間で深く議論する空気をあまり作ることができなかった。そのため、終盤のプレゼンでは、アウトプットに対して後からロジックを付けるような場面も出てきてしまった。

プロトタイプ作りのスピード感は重要なのだが、当然その裏には、そのスピード感で走りながら考えることも同じくらいの重要度で存在している。今回の授業と課題を通して一連のプロトタイピングのプロセスは体得し、自分で再現できるほどになったとは感じているので、来学期以降のL2Mなどハンズオンの機会では、それをグループを動かして実行することにもう一度注力したい。

 

Research for Marketing Decisions

様々なマーケティングリサーチ手法リサーチ結果の分析(仮説検定、クラスタ分析等)その報告の仕方などについてプロセスを追って学ぶことができた授業。また、問題演習やプロジェクトの量も多く、手を動かしながら学んだことを即座に実戦練習できた授業であり、カリキュラムの満足度は高かった。

特に、リサーチ手法を整理して学び、どの分析目的に対してどの手法を使うべきかや、それぞれの手法についてのロジックと直感的理解を並行して解説してもらえた点、そしてそれをプロジェクトの中で教授の指導を受けながら実行できた点は満足度が高い。また、クラスタ分析やファクター分析などの新たな手法を学べたこと、1年前に学んだ仮説検定をもう一度みっちり勉強できたことも大きな収穫だ。

反省点としては、自分がそもそも学びたかったこと以外の部分として、アカデミックな分析レポートの書き方や、リサーチの際に注意を払うべき細かな点などにも教授がかなりの力点をおいており、その部分で自分たちのアウトプットが至っていなかった部分が挙げられる。

特にアカデミックなレポートなどは今後も書く機会はそうそう無いと思うのだが、自分の学びたいことだけを掘り下げるのではなく、その周辺の事柄まで合わせて学び身に着けることで、裾野が広がり、より幹の太い学びを得ることができるはずだったと反省している。