Your focus determines your reality.

思ったことや新たに知ったことのメモとして。元々は留学中に考えていたことを記したブログでした。

Lab to Marketのプロジェクト、いよいよ大詰め

今週のハイライトは何と言ってもLab to Marketの最終ビジネスプラン提出であった。

 

半年間かけて検討を重ねてきた新生児向け血液検査ビジネスについて、これまでに検討した全てを盛り込んで17ページのレポートにまとめたものを提出した。

その中には以下のような要素が含まれる。

・市場の成り立ちと現状の問題、それに対する我々のソリューションと競争優位性

マーケティング/Go-to-Market戦略

・資金調達/EXITプラン

・製造/オペレーション

・チーム

・見えているリスクとその回避策

 

まだ最終プレゼンを次週水曜日に控えてはいるものの、一旦ここでプロジェクトを振り返っておきたい。

 

グループの経緯

このプロジェクトはそもそも、バイオテックphD学生であるAugustineが、自分が研究している技術を先学期のL2Mの授業に持ち込んだことから始まっている。

当初Augustine以外の4人のMBAメンバーはバイオテックの知識は一切なく、彼から技術的なレクチャーを受けながらそれをなんとかビジネスサイドの文脈に載せ替えていくという進め方をしていた。

今学期に入り、新たなメンバーとして、ニューロサイエンスphDを持ち、現在も医療機器メーカーで働いているJerryを迎えたことで、AugustineJerryの技術屋2人が技術方面のインタビューや仕様検討などで主導権を握る一方、エンジニアリングバックグラウンドのXZXiaolingBryanが製造とマーケティング、私がファイナンスマーケティングを担当するという分担が徐々に明確になっていった。

 

チームダイナミクスについて

これまでも何度か書いてきた通り、このグループメンバーは誰か1人がバリバリと引っ張ってくというタイプではなく、みんな決めたことに沿って黙々と進めていくというタイプであったため、初動が遅くなってしまいがちであった。

しかし、一度スタートするとそこからアウトプットを出すまでの各メンバーの貢献度は凄まじく、MBAによくいる「フリーライダー」が発生することもなく、自分の担当分野以外についても自主的にチェックし、全員が全体に目を通しアウトプットに責任を持ち続けるという理想的なチーム運営ができていたと思う。

これも前に書いたが、この求心力を産んでいたのはやはり個々のメンバーの「やってみせる」というリーダーシップの示し方によるところが大きいと思う。それぞれが完全分業でただ進めるだけではなく、自分が作ったものをメンバーに見せて意見を聞いたり、叩き台を率先して作り議論を先導しあったりすることで、それに呼応するようにお互いが士気を高めて言っているのが見て取れた。

また、その過程ではお互いの作業内容を褒める言葉も頻繁に掛け合い、チームの雰囲気が悪くなることは一度もなかった。技術オリエンテッドなプロジェクトであるにも関わらず、技術屋2人が他のメンバーを軽視しなかったところもチームの雰囲気を良好に保てたポイントであったと思うし、そんな難しい内容についても技術経験のない4人がベストを尽くそうという姿勢を見せていた点も良かったと思う。

 

個人的なチームへの貢献について

これまでもMBAの多くのグループで考えてきた通り、このグループでも自分が何でならグループに貢献できるかは良く考えさせられた

上記の通り技術的な部分の主導権を明け渡さざるを得ない状況で、自分がこのチームメンバーに対する差別化要因とできるスキルは何かということを考えた時に、ファイナンスマーケティングという答えに行き着いた。

特にファイナンスについては、これまでの授業の中でも若干苦手意識を持っていたため、自分がこのチームのファイナンス的側面を責任を持ち担って良いのかかなり悩んだが、失敗を恐れていてはなんのためにMBAという擬似経営体験ができる場所に飛び込んだのかわからないと考え、とにかく手を付けることにした。

以前も書いた通り、とにかく打席に立ってバットを振り続けることが重要だ。 

結局その過程はかなり苦労して、勉強を重ねながら事業計画を作ることとなったが、会社全体の10年間の財務予想を1人で作るという経験は非常に得るものが多かった。BS、PL、キャッシュフロー、NPV、IRRについて、仮説を置きながら10年分の予測をするというファイナンス的な知識はもちろん、その前提条件となるマーケティング予想やオペレーションにも踏み込んで考えることもできた。

また、それらの財務予想を作り叩き台としてメンバーに見せたことで、他のメンバーの担っている各セクションを全てファイナンスという共通言語に結びつけて議論するという進め方にシフトさせることができ、チーム全体の議論を1つにまとめる役割も果たせたと思う。

 

来週水曜は最終プレゼンテーションであり、火曜日の夜まではプレゼンスライド作成に時間を費やすことになるだろう。水曜日のプレゼンがトップ2に選ばれれば、翌週に実際の投資家を招いた場でもう一度プレゼンをすることができる。チームとしては「ここまで真剣にやったんだからトップを取りに行こう」と気合が入っている。結果はともかく、2年間の集大成として全力のプレゼンをしたいと思う。