Your focus determines your reality.

思ったことや新たに知ったことのメモとして。元々は留学中に考えていたことを記したブログでした。

工場シミュレーション"Littlefield"

先週はその前の週から実施していたオペレーションの授業における工場ラインシミュレーション"Littlefield"がハイライトとなった。

今週の火曜日まで実施しており、木曜日の授業ではその解説を受けることになったのだが、この1週間のシミュレーションの中ではオペレーションの知識に加え、プロジェクトマネジメントやチームワークについても学ぶところが多かった。

 

今回のシミュレーションは、以下のようなものである。

工場を模したオンラインのシミュレーションで、長年世界中のビジネススクールで使われている。4つの工程を経て製品を製造している工場の最適在庫投下量や在庫発注のタイミング、機械設備への投資をコントロールしながら利益を上げていくものである。需要のトレンドは大まかに分かるものの、変動幅もかなり大きいため、予測にはリスクも伴う。

12グループで1週間かけてシミュレーションを行い、利益額を競うものだが、我々のグループは最終的に10位に終わってしまった。滑り出しが好調で1位を走っていただけに、少なからずショックの大きい結果ではあったが、得るものは大きく、グループとしても清々しい気持ちで結果を受け止める事ができたと感じている。

以下、今回の学びについて。

 

リスクテイキングと戦略の見通しについて

今回の最も大きな敗因は、目先のコスト削減とリスクヘッジに目を奪われ、長期的な戦略を見通した投資を怠ったことだった。シミュレーションの中では変動する需要にあわせて工場設備への投資ができ、それによって生産スピードが変わってくる。生産リードタイムを伸ばすことで製品あたりの収益も増える構造になっているのだが、需要が低い初期の段階では投資しなくともそこそこの収益率を持てていたため、買い渋りをしてしまい、生産力が低いままで中盤まで進んでしまった。

しかし、今回のシミュレーション全体を最初から考えていれば、いずれ設備投資が必要になることは分かっていたし、シミュレーション内での金利は非常に低いため、投資をするタイミングが最終的な利益額に与える影響は皆無であった。それならば、需要ピッタリの生産量をキープするのではなく、スタート当初から投資することによってフル稼働で利益を稼ぐべきであった。

確かに需要がどこまで上がるか読みきれない中での投資はリスクなのだが、もうすこし情報を丁寧に分析すれば、そのリスクは最小限に抑えることができたはずであった。にも関わらず、その分析を怠り、リスク評価を誤ってしまったために、腰の引けた戦略になってしまった。同時に、目先の確実な分析ばかりに労力を使ってしまい、1週間全体のゲームメイクを頭の中でイメージできていなかったために、ゲーム中盤ではトップとの差が埋められない大きさになってしまった。

 

チームワークについて

上記の通りスタート当初はうまく言ったこのシミュレーションであったが、中盤からは雲行きが一気に怪しくなってしまった。

今回のシミュレーションでは私がほぼ全ての分析を行いチームに照会して意思決定していくという進め方をしていたため、リーダーとしては結果を残せなくて情けない限りである。

しかし、背水の陣の中でも最後までチームに対して投げやりにならず、そのときできる最善の策を提案しつづけようとしたことにより、リーダーシップについて学ぶことが非常にたくさんあった。特に、自分の失策について分析し、何が間違っていたかと、これから何ができそうかということについて説明したり、自分がどこまで分析できていて何がわからないで困っているかについて相談したときなどは、それまであまりシミュレーションに入れ込んでいなかったメンバーからも励ましの言葉をかけてもらったり、一緒に悩み考えてもらったりと「チームワーク」が徐々に形成されていくのを肌で感じることができた。

最終日の火曜日には、シミュレーションの中での50日分に相当する期間の運営について意思決定をしなくてはならないという山場があるのだが、その前日・当日にはグループのチャットが鳴りっぱなしになるほど全員が議論に参加するほどにグループに火をつけることができた。

尻を叩いてメンバーに同じ方向を向かせるのではなく、「やってみせる」ことによって徐々にメンバーの気持ちを動かしていく自分流のリーダーシップを発揮することができたと感じている。

また、今回のグループは先学期に比べドライな雰囲気で、ミーティングもサッと終えてしまうことも多かったのだが、この1週間でメンバーの距離がぐっと縮まったのを感じたし、その中で自分が一生懸命になってチームを動かそうとした姿勢が果たした役割は大きかったと思う。この体験を忘れず、実務の中で逆境や失敗をした状況に立たされた時にもチームを引っ張り続けられるリーダーになっていきたい。