Your focus determines your reality.

思ったことや新たに知ったことのメモとして。元々は留学中に考えていたことを記したブログでした。

グループ内でのポジショニング/リーダーとフォロワー

アイデンティティ喪失

冬学期も後半戦に入り、ようやく今学期のスタディグループの中での立ち位置が定まって来た感がある。

今学期のグループにはアメリカ人学生Brennanという、先学期まで自分が力を発揮していたポイントを得意分野とするメンバーがいる。数学的な思考能力とファイナンスのバックグラウンドを持ち、おまけにOfficeソフトの使い手でもある彼とはポジショニングが被ってしまっているため、同じフィールドで貢献しようとすると英語のアドバンテージがある分、彼のようには活躍できないと感じていた。

マーケティング的な観点で言えば競合とポジショニングが被ってしまっており、より優れている競合に顧客を奪われている状態だ。学期が始まってしばらくは、自分としてはほとんどグループに貢献できている手応えがなかった。はっきり言ってピンチである。

マーケティングの定石的にはこういう時どうするか。自社のアセットを活用した新たなポジショニング軸を立て、差別化要因を新しく作るしかない。先学期と同じやり方が通用しないのは自分にとってはピンチだが、コンフォートゾーンから自分を追い出す良いチャンスでもあると捉え直した。

 

で、新たな差別化要因は?

そこで新たな活躍の軸(=差別化要因)を作ることが課題だったわけだが、どうやらオペレーションの授業で貢献できていると言えそうである。

オペレーションの授業は、ビジネスのバリューチェーンの中での費用対効果を上げ、リスクを避けることで利益最大化するための手法を学ぶ学問であるが、その中では複雑な事象をシンプル化して理解しやすくしたり、過去のデータから今後のトレンドを予測し、どれくらいのリスクを自分たちが抱えているかを把握することが求められる。

 

例えば、ちょうど今週の火曜日から1週間グループで取り組んでいる、工場の生産ラインを模したシミュレーション"Littlefield"でもそのスキルが必要となっている。

このシミュレーションは長年世界中のビジネススクールで使われているもので、4つの工程を経て製品を製造している工場の最適在庫投下量や在庫発注のタイミング、機械設備への投資をコントロールしながら利益を上げていくものである。需要のトレンドは大まかに分かるものの、変動幅もかなり大きいため、予測にはリスクも伴う。

この中では、これまでに自社サービスの販売~開通現場における業務フローを俯瞰し、問題の箇所を特定して改善シンプルで分かりやすい形にして支店内に展開するという経験や、販売データや財務データの中からトレンドを読み取る経験を存分に活かす事ができることに気付いた。

 

チームメイトはこうした緻密でかつ長期間に渡って夜中も途切れることなく走り続けるシミュレーションには若干後ろ向きであったのだが、シミュレーションに先立ち公開されたデータを分析しExcelにまとめ、今後の方向性について提案したところ、「お前がそこまで分析して言うならそれで行ってみよう!」という言葉を引き出し、さらには「こういう考え方はできない?」「ここもこうしてみたら?」と話し合う体制もできてきている。

今回のチームの中で初めてリーダーシップを執っているという実感を持っている。

 

フォロワーシップインパク

シミュレーションの成果は今の所まずまずと行ったところだが、その過程でもメンバーから学ぶ事が多い。

チリから来たチームメイトのJoaquinは、同じく通信キャリアの販売戦略をバックグラウンドとして持っており、何か一つ飛び抜けているというよりはどのフィールドもバランス良く理解しているハイパフォーマーだ。

彼の素晴らしいところは、彼が先頭に立ってチームを引っ張っていくことはあまり無い代わりに、リーダーを強力にサポートするフォロワーシップに長けているところだと思う。

 

先述のBrennanや私もリーダーシップを取りながらも大いに間違う事はある。

今回のオペレーションの授業でのシミュレーションも、開始当初にいくつかの細かい判断ミスが続いた。そんな時にチームの雰囲気を良いものにし続けているのはJoaquinから出る失敗を許容する言葉や、しっかり考え抜いて判断をした事自体を褒める言葉だったりすると思っている。

こうしたチームマネジメントは誰にでもできるものではなく、長年チリのサッカーチームで活躍し続けてきた彼のスポーツマンシップや、そもそものパーソナリティが成せる技だろう。

自分がフォロワーとしてリーダーをサポートする立場では、リーダーを走らせ続け、他のチームメンバーの貢献を促し続けるためにこうした事ができるようになりたい。