Your focus determines your reality.

思ったことや新たに知ったことのメモとして。元々は留学中に考えていたことを記したブログでした。

プレゼンテーションのスタイル

水曜日に履修していたManagement Communicationsの授業は半期の授業であったため今週が最終日であった。最終プレゼンの中であった新たな発見について記載したい。

最終プレゼンとしては、自由テーマによる5分間の個人プレゼンがあったのだが、アメリカ人のプレゼン力に打ちのめされることとなった。特に2名の学生はずば抜けており、まさに「衝撃的」な上手さであった。これは単純に練習量や才能というよりも、目指しているプレゼンの理想形が違うような気がしている。

 

一人は先週の週報にも記載した、同じスタディグループにいるJosh。

彼は私と同い年で、これまではNPOのプロモーションに従事していた。

彼のプレゼンは写真を大量に使っており、それを次々に切り替えながら5分間しゃべりまくるというスタイル。内容は「鉛筆はクリエイティブなツールだ」というシンプルなものなのだが、それを非常にコミカルに話し、聴衆を5分間引き込み続ける技は見事の一言であった。

日本で良く見ていた良いプレゼンテーションというのは、分かりやすく整理された話があり、それをさらに分かりやすく示すためのビジュアル(≒ポイントとなる言葉やデータ)を見せながら解説していく、というスタイルがほとんどであったが、彼の場合は鉛筆のクリエイティビティを伝えに来たストーリーテラーが主役として立っており、背景に映っている写真と話術が合わさった一つのストーリーを聴衆に”present”するというものであり、全く異なったものである(この違いを説明するのは難しい…)。このスタイルのプレゼンは英語での巧みな語り口調が前提にもなって来るのだが、ぜひ習得したいスタイルの一つであった。

 

もう一人のJeremyは学部からそのままビジネススクールに進学して来た23歳の男性で、学部時代は水泳に打ち込みオリンピック代表選手選考会まで進んでいたという本格的スポーツマン。

彼のプレゼンは自分自身の水泳の経験から「夢を追いかけること」について語るものであったが、とにかく場面の描写が仔細に至るまで徹底的にリアルで、聴衆の頭の中にその臨場感を映し出すスキルが突出して高かった。

例えば「ロッカールームでは、右に○○大学の学生が立ち腕と脚のストレッチを繰り返しており、左には○○大学の学生が頭を抱えてしゃがみこみ、イメージトレーニングを続けている。ロッカールームからプールに続く廊下は暗く湿っており、遠くに音楽が鳴っているのが聴こえる(ここで実際に音楽を鳴らすのがまた上手い)。私は頭にきついゴーグルを付け、太ももに競泳用水着の圧力を感じながらゆっくりと歩いていく」と言った具合である。とにかく超具体的に場面を描写していき、それによって聴衆を引き込んでいるのが明白であった。

 

英語圏はとにかく具体論の世界であり、プレゼンもその価値観に従っている。具体的なストーリーで聴衆を引き出すというスタイルが一つの理想形として完成しており、これは日本ではあまり例を見ないプレゼンなのではないかと思う。

せっかくアメリカでプレゼンを学んでいるので、こうしたこれまでの自分や自国のスタイルと異なるスタイルを身に付けて、引き出しを増やしたい。