Your focus determines your reality.

思ったことや新たに知ったことのメモとして。元々は留学中に考えていたことを記したブログでした。

ゴールに向けて「一体」となった組織作り

今週は木曜までの課題としてOrganizational Strategyのケース分析をレポートとして提出したため、その分析に多くの時間を割いた。

配布資料もなくパワーポイントもなくSouthern Accentのある英語で教授が喋りまくるこの授業はかなり苦痛なのだが、ケース分析を通してようやくこれまでのフレームワークを使う練習ができ、理解が追いついてきた。これまでに学んだことと考えたことを以下にまとめておきたい。

 

組織と戦略の整合

まず大前提として、先週も記載したとおりであるが組織づくりは自社の戦略と整合している必要がある

「戦略」とは自社が達成したい事項に向けたリソース配分の仕方とその意思決定のことであり、これを実現することができるのが良い組織であるため、組織の中の各要素はその戦略を実現するようにできていて、かつお互いに整合していることも必要だ。組織の中の各要素とは文化(Cultureタスク(CriticalTasksヒト(People組織構成(FormalOrganizationである。

 

ケーススタディ「Jacobs Suchard」

今回のケース分析の中では、ヨーロッパのコーヒー・菓子メーカーJacobs Suchardがヨーロッパ内の貿易自由化を受けてグローバリゼーションを目指していくケースであった。

会社は、これまで国ごとにバラバラだったマーケティング、製造、販売管理、意思決定権限などをヨーロッパ全体単位に見直し、代わりにブランドごとの戦略立案組織を作っていくという過渡期にある。それまでは一つの国・一つのブランドごとに置かれていたゼネラルマネジャーがその国内のそのブランドについては全ての権限を握っていたが、ヨーロッパ全土を横串で見るブランドマネジャーポジションができたことにより意思決定や戦略立案の権限がタテヨコに走ることになってしまい、そのゴタゴタをどう整理して行くかというケースであった。

大まかな結論としては、グローバリゼーションを踏まえた戦略立案に向け、ゼネラルマネジャーに与えられているインセンティブは単に「会社のためだから」という曖昧なものだけであり、それが今だに各国市場での販売のキーパーソンであるゼネラルマネジャーの協力を阻害する要因になっているため、評価指標にグローバル化への貢献を組み込むとともに、費用分担など利害に関わるルールをしっかり整備するというものであった。

 

明日は我が身

聞いてみれば当たり前のようなことなのだし、長年同じことを効率的に運営してきているような大企業では十分に整備されていることかもしれない。

しかし今回のケースのようなドラスティックな戦略変更や、新しい事業の成長に合わせて組織を拡張してタスク分担をして行く中では必ずぶつかる問題にも感じられた。

 

新しいプロジェクトは既存のプロジェクトのリソースを借りながら「全員がなんでもやる」というゴタゴタを抱えながら進んで行くし、リーダーが無理をしたり手作りをしたりしながら何とか周りを巻き込んで行くことが必要だろう。

しかしそれだけでは回らないほどプロジェクト規模が広がったり、今回のケースのように顧客やプロダクトの切り分け軸が急変した際にはそれに合わせて組織を切り分ける必要が出てくる。

その時、ただハコモノとしての組織を切り直すだけではなく、そこに相応のリソースを与え、タスクを明確化し、組織メンバーのモチベーションを上手にコントロールしながら組織全体で曲がり角を曲がる必要がある。このゴールに向けた「一体」となったチーム作りは現場レベルではなかなか意識的に行われていないことも多いのではないかと思う。

実際自分がある支店にいた時も「法人営業とコンシューマ営業の融合」というお題目だけが掲げられ、両市場の営業企画チームを一つのチームとしてくくる動き(実際、狭いオフィスに二つの担当が詰め込まれて形だけは一つのシマに収まっていた)があったが、タスクが明確化されていなかったためその後自然消滅してしまい、シナジーを感じる事は無かった

 

帰国後、自分が新しい案件や新しい組織を作ることに携わる際には、お題目だけを掲げて力技で何とかしようとするのではなく、必要となるタスクを明確にして、メンバーに仕事を分配していくことまで完遂できるようになっていきたい。