Your focus determines your reality.

思ったことや新たに知ったことのメモとして。元々は留学中に考えていたことを記したブログでした。

2018春学期振り返り-MBA1年目を終えて

自宅で受験するStrategyFinalExamを受け、1年目の全ての授業が終了となった。このテストは1週間の時間制限という実質レポートのような試験だったので、今週の平日は全てこの分析に費やした。土曜日にテストを提出し、以降は9月24日まで3か月間の夏季休暇となった。

以下、今学期の振り返り。

 

Social Media Marketing

マーケティングの中でもソーシャルメディアの活用という超各論に迫る授業だったが、フレームワークとその活用について大量の事例を交えたレクチャーによって分かりやすく理解することができた。

ソーシャルメディアはいちツールなのだが、それ以上にこの授業で重要性を理解したのは顧客とのリレーションの築き方だったと思っている。まさに先学期のマーケティングの授業で学んだカスタマーリレーションのことで、ブランドやサービスの持っている大元のマーケティングプランに則り、どのようなブランドイメージとカスタマーリレーションを構築するか、またそのためにどのようなコミュニケーションを取って行くかということがソーシャルメディア活用の骨組みとなっていることを意識することができた。最終プレゼンテーションではそれを考えながらマーケティングプランを立てられたことは良い演習となった。

 

Digital Product Management

プロジェクトマネジメントとプロダクトマネジメントの違いや、製品ロードマップ、そして何より製品改善の仮説検証について自分で手を動かして学ぶことができた授業で、この1年間で最も自分の目的に近い授業であった。

また、カスタマージャーニーマップなどのL2Mで学んだ考え方をより実務に近い部分で活用することができた点でも有意義だった。

最終プレゼンテーションはうまくまとめあげることができたと思っていたのだが、教授からは「仮説検証の結果にもっとクローズアップすること。どのユーザがどの機能にどのような感想を持ったのか、それはどう解釈すべきなのかをもっとしっかり分析すること」というフィードバックがあった。今後も2年生の冬学期・春学期でのL2Mの実践編やその他の選択授業でハンズオンプロジェクトにどんどん入って行くこととなる予定なので、そこでは今回この授業で学んだことを生かし、より仮説検証の立案から実行・分析までをスムーズにできるように練習を積んで行きたい。

またこの授業のグループ(アメリカ1、インド1、インドネシア1、日本1)はメンバーが粒ぞろいであったために今学期最も議論が捗った。個人的には論点の整理と、仮説検証の設計において貢献することができたと感じている。

 

Strategy

今学期最も苦労した授業であったが、Final Examを通して一定の頭の整理をすることができた。5 ForcesバリューチェーンWhat / Where / Howの分析など基本的なフレームワークに加え、教授がマッキンゼーでのコンサルタント時代に身に付けてきたマッキンゼー方式のフレームワークSCPモデルなど)も学ぶことができ、しかもそれをケースの中でどのように組み合わせて使うかを学ぶことができた点では一定の収穫があったと思っている。

特に長期スパン(十数年~数十年)での外部環境の変化を踏まえた事業プランの策定という視点はこれまで実務の中でもあまり意識したことがなかったため、勉強になった。例えばDigital Product Managementで学んだような中長期的なブランドのロードマップを考えるためのベースとして市場や競合の予測をする点などで活かすことができそうである。

 

Lab to Market (L2M)

Radyの看板授業だけあり、レクチャー、演習ともに質が高く理解しやすかった。フレームワークとしては新ビジネス創出の基本となるダブルダイヤモンド、カスタマージャーニーマップ、ペルソナ描出、サービスブループリント、ストーリーボードなど、単なる思考の枠組みというよりは仮説検証のための具体的ステップを学ぶことができ、それらをケーススタディやグループプロジェクトの中で手を動かしながら学ぶことができた。

Digital Product Managementで学んだ具体的なロードマップ策定やカスタマージャーニーマップを通した仮説検証などを、L2Mで学んだステップとフレームワークの中に当てはめて頭と手を動かしていく、というのを2年生でのプロジェクトにおける基本動作とすることができそうである。10週間は若干短すぎ、色々と反省点は残るものの、今学期学んだことと明確になった反省点を意識しながら来学期以降の授業に臨めることは大きな収穫だろうと思う。

また、この授業のグループはグループ内での衝突も多く、仲裁役やアイディアの取りまとめ役を通してグループマネジメントについても学ぶことが多かった。色々な困難を乗り越えて結果的にはクラスでトップの評価を得ることができた点でも、達成感が高い授業となった。

今回の授業に続き、2年生の冬学期・春学期には実践編として実際のビジネス立案がある。それまで半年間あいてしまうので、今学期学んだことを秋学期の選択授業などで活かしながら冬学期に備えたい。

 

1年目の振り返り

今日でサンディエゴに来てちょうど1年がたった。6/172年生の卒業式であり、即ち自分の卒業まであと1年ということだ。

1年前は、これまでの人生の中で初めて、"Power"を持たない存在としてスタートすることとなった。これまでの人生は日本にいる日本語を話す日本人として過ごしてきたが、こちらに来て、家も銀行口座も携帯もないところから生活を立ち上げ、英語で生活・勉強しながら人脈を広げて来た経験は、未経験の場所で少しずつ自分のパワーリソースを獲得して行くサバイバル力をつける良い訓練になった。その過程では大量の失敗をして恥もたくさんかいたが、1年も経つとそれを恐れることも減って来て、パワーがないところからいかに自分の目的を達成するかという思考回路が自然に働くようになったと感じている。

また、学業の面ではビジネスの基礎となる知識に加えて、それらを場面に応じて組み合わせて使う思考回路、新ビジネスに特化した思考と実践の経験、グループの中での自分の立ち位置の確率とグループ力を使って成果を出して行く経験を身につけて行くことができた。

次の1年間は、もっとアウトプットを増やして行くことを意識したい。インプットはある意味放っておいてもレクチャーの中などで学ぶことができるが、そのインプットをいかにアウトプットに結びつけるかは個人個人の姿勢にかかっているのがMBAだと思う。

もともとアメリカに来た目的は知識を増やすことではなく、「新しいことの立ち上げ」に向けた行動というアウトプットができるようになることだった。今回Digital Product ManagementやL2Mで一定のアウトプットを出せたのも、グループに食い込み、アウトプットの質と量にこだわり続けたことが大きいと思っている。2年目にはアウトプットの機会も増えるので、それをできるだけ掴み取り、インプットをアウトプットに繋げることを意識していきたい。

具体的には、ストラテジやマーケティングのような全体戦略をベースとして、そこからブレないことを意識しながらL2MやDigital Product Managementで学んだような具体的な仮説検証と製品のブラッシュアップをスピーディに行う経験をもっと積みたいと思っている。9月後半からの秋学期が楽しみだ。