まとまる議論、まとまらない議論
今週のハイライトはLab to Marketのディスカッションであった。
トピックとしては2つで、1つはハーレーダビッドソンのケース、もう1つはチームプロジェクトとして今学期通して議論していく課題発見とそれに対してのソリューションを立案する演習。特にチームプロジェクトにおける議論に進展があったので、そのことを記載したい。
チームプロジェクトは、「言語障壁(Language Barrier)」を課題として捉え、それについてのソリューションを考えている。このディスカッションがなかなか難航しており、先週の週報に記載したとおり議論の的が定まらないまま意見を出し合ってしまうこともしばしばであったのだが、今週は上手くまとめることができたと感じている。
今週のステップとしては、これまでに挙げたソリューション案を具体化していくためにどのような仮説を立ててどのように検証すべきかを考えるというもの。課題とソリューションがまだまだぼんやりとしている状態であるので、思いつくままにアイディアを挙げがちなこのグループでこのまま仮説立案に入るのは正直危険だと感じていたのだが、この議論の中でメンバーの認識をある程度揃えられた。
今回上手くまとめられたポイントとしては2点あると思っている。
1. 最初に立てるべき仮説の目的が何かを意識合わせできたこと
ディスカッションの初期段階では「どのような仮説を検証すべきか」という問いに対して「翻訳の正確さ」「持ち運びができるかどうか」「価格設定」など、仮説ですら無いような意見しか出ていない状態であった。
そこで、「仮説を証明できたときに何が言えるようになっているべきかをまず考えよう」「『正しい』か『正しくないか』を検証できるように言い切り方の文の形で仮説を立てるべきではないか」などをメンバーに呼びかけ、少しずつディスカッションの方向性を整理していくことができた。
最終的には「言語障壁に対応するソリューションとして今最も求められているもの」を知るために、自分たちが仮定している要素にニーズがあることを検証するという仮説を立てるところまで持っていくことができた。
2. 相手のアイディアの隠れた前提を示す形で具体的な反論を出せたこと
アイディアの出し合いになった際に、ただ反論するだけではなく、「その考え方はこういう前提に立っていると思うけど、こういう前提だとこういう考え方もできるよね」という具合に、建設的な反論ができた。
このディスカッションの問題として先述した、課題とソリューションがまだぼんやりとしているという事は、言い換えれば各メンバーが口には出さないが「言語障壁」という課題やそれに対するソリューションを頭の中で具体的にイメージしてしまっており、それらの課題やソリューションを前提として話が進んでしまっている事だということに気づいた。
そうした潜在的な前提をこちらから示すことで、課題やソリューションにどのような具体例が考えられるかの全体像を共有することに繋がり、その中で自分たちが具体的に何を解決していこうとしているのかをすり合わせる方向に軌道を修正できたと感じている。
とはいえまだまだ議論の余地があることには変わらないが、今後1ヵ月半の中で更に議論を前に進めていける自信が湧いた1週間であった。