Your focus determines your reality.

思ったことや新たに知ったことのメモとして。元々は留学中に考えていたことを記したブログでした。

外から見た日本

日本の存在感

今年感じたことの一つに、アメリカでの日本という国の存在感の無さがある。

 

日本と韓国や中国の区別がついていないクラスメイトも少なくなかったり、授業やエンタメ施設などでいくつかの国がピックアップされる時に日本が出てこなかったり。日本が取り上げられていても、「変わった文化を持つ国」としてだけ取り上げられているだけのこともある。

 

日本にいる日本人と話していると、自分たちを過大評価しているように感じることが非常に多い。自分たちは中国・韓国にはない高い技術力を持っていて、治安が良くて便利で美しい国に住んでいるというイメージがまだまだ染み付いているのだが、一度日本を出てみるとその認識はもう古いことを痛感した。

他国の人たちからすれば、狭く資源もなく高齢者ばかりで、国民のほとんどは英語も喋れず本当の気持ちを表に表さず、イノベーションが苦手(クラス内の議論でもそう明言されていた)な国に興味が無いのも当然かもしれない。アメリカで存在感を感じる日本の製品といえば、プレステとプリウスくらいのものである。そんなプリウスもテスラによってどんどんシェアを奪われて減少している。 また、私自身もそんな日本から来た一人として、クラスをリードするようなこともできないでいる自分に歯がゆさを感じてもいる。

 

2018年はまず自分がプレゼンスを発揮できる範囲を広げていくことと、日本がもっと世界の舞台に食い込んでいくために自分が自分の仕事を通してできることを具体的に考える年にしていきたい。こんな状態の日本をもっと存在感ある国に返り咲かせるために自分ができることは、技術を世界標準のサービスに昇華させることであると思う。そのための知識と経験を後1年半でできるだけ多く身に付けて事業に復帰したい。

 

Innovation in Japan

また、もう一つ日本について感じたこととして、規制と旧来の業界の保護によるイノベーションの妨げがある。

 

こちらではUberLyftといったライドシェアが交通手段として確立していて、サンディエゴではタクシーをほとんど見かけない。アメリカでもUberは創業当初、従来の規制の再整理などが必要ではあったものの、Uberが実際にサービスを開始するとタクシーはほとんど見かけなくなってしまった。

現在のタクシーの衰退を見るに、ユーザが選んだのはタクシーではなくライドシェア(需給で値段が決まり、乗る前に値段が確定し、ドライバーと顧客が相互に評価を付け合える仕組みがある)というサービス形態であったことが分かる。

 

しかし日本ではタクシー業界からの強い反発により規制緩和が続かず、古いままのサービスがまかり通ってしまっている。 また、アメリカではカーナビが付いている車に乗っている人は一部高級新車に乗っている人だけであり、ほとんどの人はGoogle Mapのナビを使っている。iPhoneという超汎用的な端末があり、ソフトウェアはクラウド+高速通信で常に最新というのが当たり前のこの時代に、ナビ専用端末が車に埋め込まれて売られているというのはカーナビ製造事業者の保護以外に何もメリットが無い。

しかし日本では自動車メーカーも含めた「淘汰への抵抗」から、技術とニーズをないがしろにしたサービス提供がまかり通っているということを感じさせられた。

これは自動車の話に限らず、今後技術革新のスピードが加速する中ではあらゆる業界に言えることだと考えている。

あと20年のうちにはVRの進化によって、これまで数百年保って来た交通や不動産の価値は無くなり(自動運転すら不要)、代わりにクラウドのストレージ容量や通信の速さと安定性、ソフトウェアの革新性、情報セキュリティサービスの価値が高まってくると想像している。

それほど既存業界やサービスの先行きが不透明な中だからこそ、「自分はこれをやりたい」という気概と、それを実現するためのスキルを磨き続けることが重要だと気持ちを新たにした。2018年は、そうしたスキルを磨くことに加え、自分が戻ってからまず何に手をつけるのかをより明確にするため、ニュースや技術動向などのインプットをますます増やしていくことに注力したいと思う。