Your focus determines your reality.

思ったことや新たに知ったことのメモとして。元々は留学中に考えていたことを記したブログでした。

ユーザに訴えかける製品デザイン

今週のNew Product Developmentの後半は、プロトタイプを具体的にデザインするときの思考プロセスについて。哲学的かつ概念的だが、具体例を踏まえて理解することができた。今回理解したことと、これまで学んだことと結びついたことをまとめておく。

 

アフォーダンスAffordance

ユーザがある製品とどのように関わることができるかという可能性のこと。例えばドアがあった場合、押すことも引くことも横にスライドすることもできる。

アフォーダンスの中には知覚できるものとできないものがある。ドアの例で言うと、全く何も付いていない木の板のようなドアだと、押すべきか引くべきかスライドすべきかをユーザが知覚することができない。しかしもしドアノブが付いていたりすれば、少なくともスライドドアではない事はわかる。

 

シグニファイア(Signifier

ユーザに対して、その製品をどのように使うべきものかを示唆する、製品の持つ特徴。シグニファイアがあることでアフォーダンスが知覚可能となり、ユーザがその製品をどのように使うかを無意識のうちに知ることができるようになる。

ドアの例で言うとまさにドアノブがシグニファイアである。ドアノブが付いている事でそのドアを押すか引くかして開けるというアフォーダンスが知覚可能になる。

また、ドアノブという製品自体も、人間の子供が見てもそれを握り、ひねり、ドアをコントロールすることができるものだというアフォーダンスが分かる。これはドアノブが持っている、ドアにくっついており、出っ張っており、丸いという形状自体がそのシグニファイアになっているからと言うことができる。

プロダクトデザインを考える際、ユーザに知覚させたいアフォーダンスに対応したシグニファイアが十分に備わっていないと(要するに開発側が意図した通りにユーザが直感的に使えるデザインになっていないと)、ユーザにとっては使いづらかったり、良さが分かりにくかったりしてしまう。

*この使い方がわからない状態を英語のスラングRTFMと言う。”Read The Fuckin’ Manual”の略である。シグニファイアが無い製品はそれほどひどい。笑

 

で、これがなんなの?

以上のことから、製品デザインを考える際には、ユーザにどう使ってもらいたいか(アフォーダンス)を考え、それをどうやって示唆するか(シグニファイア)を考えると言う順序になるのだが、そのアフォーダンスを考えるために必要なのが先学期のLab to Marketなどで学んだカスタマージャーニーマップなのだと思っている。

ユーザが製品を使い始めてから使い終わるまでの一連の流れを超具体的に書き起こしたもので、これを描くことで製品とユーザの接点が見えるようになる。その接点1つ1つのあり方が即ちアフォーダンスなので、それを1つ1つシグニファイアに落とし込んでいくと言うのが良い進め方だろう。 

また、シグニファイアが正しく機能しているのかを検証する手段が、先学期のDigital Product Managementなどで学び実践したA/Bテスティングのような、プロトタイプをユーザに使ってもらってデザインを細かく素早く軌道修正していく手法だと思っている。